どんな病気?

口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)
唇・歯ぐき・上あご・のどちんこ等が裂けた状態で生まれる先天性の病気を指します。



妊娠が発覚する頃には既に!?

先天性異常の一つであり通常、妊娠初期の1~2ヶ月(4~7週目)に前頭突起と左右の上顎突起が癒合し上唇が形成。
2~4ヶ月(7~12週目)に口腔と口腔と鼻腔間に口蓋突起が左右から伸び前方から後方へ癒合が進むと口蓋が出来るが、この過程中に何らかの原因によって癒合されなかった場合、上唇が裂け口蓋も口腔と鼻腔に穴が開いた状態で出生し口唇口蓋裂という病名が診断されます。





口唇口蓋裂は色んなパターンがある

又、同じ口唇口蓋裂でも裂ける場所によって完全or不完全・片側or両側の口唇口蓋裂があります。
口唇口蓋裂以外に、口唇裂のみ・顎裂のみ口蓋裂が無くて唇・顎が裂けている唇顎裂もしくは、全部を疾患した唇顎口蓋裂…等様々な病名があり、症状はそれぞれ異なります。
ちなみに発症頻度は、男で左側口唇口蓋裂が多いと言われています。







原因

環境や遺伝的原因等、様々な説が挙げられているが現在も不透明な部分が多いです。ただし、1つの特定原因で起こるものではないことが明らかになっています。



500人に1人の割合

現在、日本では口唇裂・口蓋裂で生まれてくる確率は500~600人に1人。つまり、1日に5~6人生まれてくる計算になることから決して珍しい病気ではありません。
(※2015年度出生数を参考に独自調査)





口唇口蓋裂の治療は手術が中心

口腔外科又は形成外科にて生後3ヶ月頃に上唇を閉じる手術をし、1歳前後に口蓋を閉じる手術を行うのが一般的。(合併症が命に関わるケースは除く)以後も約20年間かけて成長期に合わせた治療を行っていく必要があります。

個人差がありますが主に外科的治療(=手術)を中心にそしゃく機能の問題面から4歳前後から言語訓練を開始し、矯正治療も同時進行で進めていきます。

一般の矯正とは異なり、骨の成長段階に合わせて矯正装置の種類を使い分け治療を行う為、矯正終了まで数年~十数年を要する事が多いです。症例にもよりますが、口唇口蓋裂の完治までの手術回数は軽度の場合、最短3回前後、平均6~7回前後の手術を要します。外科的治療が中心の為、疾患当人の負担を減らすメンタルケアが大事になってきます。